「看護師なのに、なぜアロマ?」と聞かれることがあります。今日は、その理由をお話しさせてください。
父の余命宣告から始まった
父が余命半年と宣告されたとき、家族みんなが戸惑いました。どんな言葉をかければいいのか、どんな表情で接したらいいのか——何もわからないまま、ただ時間だけが過ぎていく。そんな苦しさを、今でも鮮明に覚えています。
その経験が、緩和ケアや在宅看護に携わりたいという思いへとつながりました。訪問看護師として働くようになったのは、そんな背景があったからです。
訪問看護の現場で気づいたこと
訪問看護の場では、皮膚の状態やむくみ・血行の状態を確認しながら、保湿を兼ねて手や足、全身に触れる機会が多くありました。
そのとき、ある利用者さんがこんなふうにおっしゃいました。
「気持ちいい。久しぶりに、こうして触れてもらえた気がする。」
触れることで、言葉よりも先に心がほぐれていく。そのとき、タッチングの持つ力をあらためて実感しました。それが、アロマケアへの入口でした。
アロマケアの3つの魅力
01
香りが脳へ届く
植物の香り成分が脳へ直接届き、体内時計の調整やホルモンバランス、認知症予防への効果が実証されています。
02
肌から浸透する
アロマオイルの成分が肌から血液へと浸透し、自然治癒力を高めます。
03
タッチングの力
心地よい香りと肌への優しい接触が脳と身体を刺激し、血液・リンパの流れを促し、不安や寂しさをやわらげます。
「訪問看護のままではいけないの?」
そんなふうに問いかけてくださる方もいました。でも私には、もっと地域に近いところで、もっとゆっくりとお一人お一人と関わりたいという思いがありました。
訪問看護師として多くの方の在宅療養に関わるなかで、そして、がんを患う父を娘として見守ってきた経験から——アロマケアを通して、その方に寄り添いたい。触れるケアを通して、その方の思いや苦痛をそっと聴いていきたい。
その思いが、てあてのアロマケアとして形になりました。